12 冬来たりなば春遠からじ

冬来たりなば春遠からじ

夢ふくらませて創業はしたものの、現実は厳しく、慎重につくつたつもりの計画は絵に描いた餅の如く、己の甘さを実感いたしました。未熟さゆえに、万策尽きたと落胆している弱気な自分を奮い起たせ叱咤激励してくれる、ありがたい言葉、「冬来りなば春遠からじ」。

貧困な家庭に生まれ、いつかはきっと人並みな生活ができると信じて日々過ごす時、心の支えとしてきた言葉。子供心に明日に希望をもち、早く大人になって働きたいと念じていました。

苦しい時、辛い時、悲しい時、この言葉を噛み締め、“いつかはきっと春がくる、朝の来ない夜はない”と自分を励まし、家庭にも職場にもこの言葉を額に入れて掲げ、仕事だけでなく、人生を送るうえでの心の支えとしています。

特に創業期の十年問は辛抱の連続。そんななかにも、チャレンジャーとして果敢に目標に挑戦しなければ、競争社会での明日はありません。

現在創業三十四年にして、さらに成長発展するため、後継を託す人たちに訴えかけている言葉をもうひとつ。
「創業は易く守成は難し」です。
自分の我が侭で器以上の組織にしてしまったわが社を守り成長させることは大変なことです。
後輩たちへの励ましの言葉です。