- 目のトラブル

近視の方で「最近手元が見えづらくなったけど、近視が進んだ?」と悩んでいませんか。もしかしたら、近視ではなく老眼の始まりかもしれません。「近視は老眼になりにくい」という説を聞くことがありますが、実は誤解です。では、近視の人が老眼になった場合、どうすれば良いのでしょうか。
今回は近視と老眼の違いから、老眼になった際の矯正方法まで詳しく解説します。

監修してくれた先生
田浦 輝美 先生
ひかり眼科クリニック 院長
平成28年よりひかり眼科クリニックの院長。地域の方々に親しまれてきている眼科クリニックとして親切、丁寧な診察を心掛け、解り易い説明をモットーに日々診察を行っています。
近視と老眼の違い
近視や老眼で視界がぼやけてしまうのは、目のピント調節機能が上手く働かずピントが合っていないからです。では、近視と老眼の違いは何なのでしょうか。
近視とは
近視とは遠くのものがぼやけて見えにくく、近くが見えやすい状態です。
目は本来、外部から入ってきた光線を角膜が取り込み、水晶体で屈折させて網膜上に焦点を合わせることでものを見ています。しかし、近視は網膜よりも手前に焦点が結ばれる状態です。近くにピントが合いやすい一方で、遠くのピントはぼけてしまいます。
老眼とは
老眼とはピントの調節機能が加齢によって衰え、近くにピントが合いにくくなった状態です。
目のピント調節は水晶体の厚みを変えることで行っており、近くを見るときは厚く、遠くを見るときは薄くなります。しかし、年を重ねると水晶体が硬くなり弾力性が失われて、ピントが合わなくなるのです。
水晶体の弾力がなくなると、近くを見るときに水晶体を厚くするのが難しくなり、手元が見えづらくなります。これが老眼です。
近くを見たあとに遠くを見たり、遠くから近くへと視線を移したりしたときに、視界がぼやけた状態から徐々にピントが合ってくるのも老眼の症状です。
近視の人でも老眼になる
老眼は老化現象のひとつで、誰でも老眼になり得ます。「近視だと老眼になりにくい」といわれることがありますが、実際は近視だからといって老眼になりにくいわけではありません。但しメガネやコンタクトレンズを外せば遠くは見えにくくなります。
近視の場合、裸眼の状態では常に近くにピントが合っています。しかし、メガネやコンタクトレンズで矯正しているときは、近視ではない状態と同じように、近くであってもピントの調節をしなければいけません。
そのため、近視の方が老眼を発症するとメガネやコンタクトレンズをかけているときは、ピント調節が上手くいかずに手元がぼやけます。とはいえ、メガネやコンタクトレンズを外せば自然と近くにピントが合うため、老眼でも手元の見えづらさはあまり気になりません。
上記の理由から老眼だと自覚しづらいため、「近視だと老眼になりにくい」という誤解が生まれたのです。
近視の人が老眼になったときの矯正方法
近視の方が老眼になると、近くだけでなく遠くも見づらくなります。では、どのように矯正すれば良いのでしょうか。メガネ、コンタクトレンズを用いた矯正についてそれぞれ解説します。
メガネによる矯正
近視の方の老眼矯正用メガネには、アシストレンズや遠近両用レンズなど様々な種類があります。それぞれ老眼の進行度合いやシーンに合わせて使用すると良いでしょう。
アシストレンズ・スマホメガネ
老眼初期の方は、アシストレンズがおすすめです。アシストレンズとは、手元を見る際にピントの調節機能をサポートしてくれるもので、スマホメガネとも呼ばれています。PCやスマートフォンなどの手元を見る時間が多い若年層にも適しています。
レンズの上半分が遠くを見るための近視度数、下半分が近くを見るための近視度数になっており、構造自体は遠近両用レンズと同じです。ただし、遠近両用レンズよりも遠近度数の差が小さいため見え方の歪みが少なく、慣れるのにあまり時間がかかりません。
ブルーライトや紫外線カットのレンズを採用しているアシストレンズもあります。老眼が始まったばかりで症状が軽度な場合や、最初から老眼鏡を作るのに抵抗がある方は、まずアシストレンズから始めてみることをおすすめします。ブルーライトや紫外線カットのレンズは睡眠の質も上げると言われています。
遠近両用レンズ(累進レンズ)
遠くから手元まで見えるように設計されているのが遠近両用レンズです。レンズの上部分が遠くを見るための度数、真ん中が中間を見るための度数、下部分が近くを見るための度数となだらかに変化しています。
遠中近の距離がひとつのメガネでカバーできるため、メガネをかけ替える必要がありません。1本持っていると便利ですが、視界が狭くなったり視界が歪みやすかったりするため、慣れるまで時間がかかります。
ピント調節能力がまだある40代頃からかけ始めると比較的慣れやすく、老眼が進行してくる60代以降も違和感なく使用できるでしょう。
ただし、老眼が進むと遠近両用レンズだけではカバーできなくなる可能性があります。眼科医やメガネ専門店に相談して、中近両用レンズとの併用も検討しましょう。
遠近両用レンズのメリットとデメリットについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
近視用眼鏡と老眼鏡の使い分け
遠くを見るときには近視用メガネ、近くを見るときは老眼鏡と使い分けるのもひとつの方法です。状況に応じて使い分けることで、常にクリアな視界で過ごせます。ただし、毎回かけ替えるのが面倒というデメリットもあります。
デメリットを抑えたい方は、中近両用レンズの使用を検討しても良いでしょう。中近両用レンズは、30cm~5mほどの中間と近くの距離をカバーするメガネで、主に室内やデスクワークに適しています。
遠近両用レンズでも近くは見えますが、手元の視野が狭く顎や視線を上げないと上手く見えません。一方、中近両用レンズは遠近両用レンズに比べて視野が広く、度数の差が小さいため視界の歪みも少なくピント調整が簡単です。
中近両用レンズのメリットとデメリットに関しては、下記の記事でも解説しているため参考にしてください。
コンタクトレンズによる矯正
老眼の矯正はコンタクトレンズでも可能です。遠近両用コンタクトレンズであれば遠くから近くまでの視界を1枚でカバーできます。ただし、通常のコンタクトレンズと比べて遠くの見え方は若干ぼやけます。
中心部から外側へ向かって遠くから近くを見る仕様になっているものと、中心部が近くを見る度数で外側が遠くを見る度数になっているものなど様々です。遠近両用レンズのメガネと同様に、慣れるまでに若干時間がかかります。
近視と老眼の違い
老眼は老化現象のため、近視であっても加齢とともに発症します。「近視だと老眼になりにくい」というのは誤解で、近視は裸眼だと手元に焦点が合いやすいため老眼だと気づきにくいのです。
近視の方が老眼になると、遠くだけでなく近くも見えづらくなってしまいます。メガネやコンタクトレンズを使用して矯正しましょう。
もし老眼で手元が見づらくなったとお悩みの際は、ぜひメガネのヨネザワにご相談ください。
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