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「メガネレンズは、視力が変わらない限り何年でも使い続ける」という方は多いと思います。実は、メガネのレンズは時期がきたら点検や交換をする必要がある消耗品です。寿命がきているのに点検・交換しないままだと、知らぬ間に視力が低下していた等、思わぬトラブルを招く可能性があります。今回は、メガネレンズの交換時期や長持ちさせるコツについて紹介します。
メガネレンズの寿命
近年、メガネのレンズはプラスチックレンズが主流です。プラスチックレンズの寿命は2~4年ほどで、見た目にはわかりにくいものの劣化は進んでいきます。
寿命を迎えたレンズは、傷がついていたり、コーティングが剥がれていたり、熱や紫外線などの外部の刺激で劣化しているのです。
調光レンズの寿命はおよそ4年です。調光レンズは紫外線を浴びることによってレンズの色が変わりますが、寿命を迎えると色が変わりにくくなります。薄いときと濃いときの色の幅が狭くなり、中間色で変色が止まってしまうのです。
偏光レンズの寿命は、およそ2年〜4年です。偏光レンズは釣りやキャンプなどアウトドアで使用することが多いため、長期間使っていると紫外線の吸収量が許容範囲を超えてしまいます。そうすると、偏光の効果がなくなってしまいます。
メガネのレンズの寿命は目に見えにくいので、判断が難しいのが難点です。しかし、壊れていないからと寿命を迎えたレンズを使い続けると、劣化が進行します。視力補正機能が低下し、見え方が悪くなってしまうデメリットがあるのです。
長年使い続けた古いレンズは、紫外線やほこりなどのダメージが蓄積しています。見えづらさや目の疲れがストレスとなり、体の調子が悪くなるおそれもあるので注意が必要です。
メガネレンズの寿命を短くする原因
実は普段、何気なくやっていることがレンズの寿命を短くしている可能性があります。うっかり取りがちなNG行動を紹介します。
原因1|熱ダメージ
メガネは気付かないうちに熱ダメージを受けており、プラスチックレンズは60度を超える高温に晒されると膨張するといった性質をもちます。
プラスチックレンズ基材の表面はコーティングされているのが一般的です。コーティングが熱によるレンズの膨張に耐えきれずに剥がれてしまい、ヒビ割れやゆがみが生じるのです。
サウナや真夏の車の中、火やアイロンのそば、ドライヤーの熱風は、熱ダメージを与えてしまうので注意しましょう。
原因2|汚れたまま乾拭き・服で拭く
メガネレンズは傷つきやすいので、丁寧に扱わなければなりません。そもそもプラスチックは柔らかい素材なので、ちょっとしたことでも傷が付きます。
レンズにホコリやゴミなどが付着したまま乾拭きしたり、目に見えないゴミやホコリがついている服で拭いたりするのはNGです。微細なホコリやゴミによってレンズが傷付き、見えにくくなったり割れたりしてしまいます。
また、レンズの傷やひび割れに気付かずに乾拭きすると、レンズのコーティングが剥がれることもあります。コーティングが剥がれたレンズは、目の負担になるおそれがあるので使用するのを避けましょう。
メガネレンズは、傷付けないように優しく拭くことが大切です。カメラレンズや顕微鏡などの光学製品と同じように、優しくそっと扱うようにしましょう。
寿命以外でも交換したほうが良いタイミング
メガネは、寿命がきていなくても違和感がある場合は変えたほうが良いでしょう。ここでは寿命以外でも交換したほうが良いタイミングについて紹介します。
タイミング1:眼鏡の度数が合わないと感じたとき
メガネの度数が合わないと感じたときは、寿命を待たずにレンズを交換するのがおすすめです。例えば、メガネをかけているのに、つい目を細めて遠くを見ている場合は度数が合っていない可能性があります。
ほかにも、遠くの光や夜の信号がぼんやりにじんで見える場合、スマートフォンや本などの手元の文字がぼやけて見える場合も要注意です。
近視や乱視が進行していると上記のような症状が出るため、改めて視力検査をして正しい度数のレンズに交換しましょう。
度数が合っていないメガネを使い続けると、見えにくくてストレスが溜まるだけでなく、頭痛や疲れ目、さらに肩こりなど、体の不調につながることがあります。見えづらいものにピントを合わせようとして、脳や目の筋肉が疲れてしまうのです。
見えづらいと感じることが続く場合は、早めに眼科やメガネ店に行って度数を測ってもらいましょう。
タイミング2:レンズが黄ばんだり、傷が付いたりしているとき
レンズが黄ばんでいたり、傷が付いていたりする場合も早めに交換したほうが良いでしょう。無色のレンズなら、メガネを白い紙の上に置いてレンズ部分を見たときに、黄ばんでいたら経年劣化が起きている可能性があります。
メガネをかけても見えづらいと感じる場合、視力の低下以外にも実は経年劣化が原因である場合も考えられます。経年劣化によって黄ばんでいないか、細かい傷が入っていないかなどをくまなくチェックすることが大切です。
メガネレンズを長持ちさせるコツ
メガネレンズはささいなことで傷付くおそれがあります。ここではメガネレンズを長持ちさせるコツを5つ紹介します。
コツ1:ケースに収納する
使わないときにメガネを出したままにしていると、思わぬトラブルで傷付いたり破損したりするおそれがあります。メガネを長い間使わない場合や持ち歩く場合は、必ずケースに入れましょう。
ケースに入れる場合は、そのまま入れるのでなく、持ち運ぶ際の衝撃から守るための収納をする必要があります。例えば、メガネ拭きでレンズを包む、メガネ拭きを敷いてレンズを下向きに収納するなどの工夫が必要です。
コツ2:レンズのお手入れを適切にする
メガネを長持ちさせるには、適切なお手入れが大切です。基本はメガネ拭きでの乾拭きをしますが、ゴミやホコリが付着している場合は水洗いをしましょう。
乾いた状態のレンズに小さい汚れやゴミがついているのに気付かずに乾拭きすると、レンズが傷付くおそれがあります。また、メガネ拭き以外のティッシュやハンカチ、服などで拭くと、それらに付着した細かいゴミによってレンズが傷付くかもしれません。
水洗いをする場合は、レンズを水で濡らした後にティッシュで水気を取って乾かしましょう。木製や天然素材のフレームは水に弱いおそれがあるので、水洗いができる素材かどうかの確認も必要です。
洗剤を使用する場合は中性洗剤をつかって洗浄するようにしましょう。最初に水道水で埃や花粉を優しく洗い流し、その後水で中性洗剤を薄めてレンズに1〜2滴垂らして馴染ませ水道水でよく洗い流してから、ティッシュで水分を軽く押さえながら拭き取り、仕上げにメガネ拭きで優しく拭き上げましょう。
その際傷や、コーティングが剥がれたレンズを洗浄する場合は注意が必要です。
アルカリ性の洗剤や石鹸などを使うのは、レンズに塗布されているコーティングが剥がれてしまうおそれがあるので避けましょう。皮脂汚れが落ちない場合は、メガネ専用のクリーナーを使うのもおすすめです。
コツ3:レンズの水滴はすぐに拭く
レンズに水がついてしまったときは、すぐに拭きましょう。拭かずに放置すると、水の跡が水垢のようにこびりついて取れなくなったり、コーティングが浮き上がってはがれたりしてしまいます。
水気をとるときはティッシュで軽く押さえて、メガネ拭きで拭き上げましょう。
コツ4:レンズに直接触れない
レンズには直接触れないように注意が必要です。レンズを拭くときは、皮脂がつくのを避けるため、レンズを直接触らないようにしましょう。
拭くほうのレンズのフレームを人差し指と親指で挟むように持つのが鉄則です。レンズの中心から外枠に向かって、やさしく拭きましょう。
コツ5:高温を避ける
プラスチックレンズは熱に弱い性質があります。サウナや炎天下の車内など60度以上の高温になる場所にメガネを放置しないようにしましょう。熱によってフレームやレンズが変形したり、コーティングがはがれたりするおそれがあります。
まとめ
メガネのレンズには寿命があります。度数が合っていても、寿命がきたら交換するのがおすすめです。レンズの種類によっては経年劣化によって本来の機能が発揮できないものもあります。寿命に注意しながら適宜交換して、快適にメガネを使いましょう。
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