近視と遠視とは?見え方の違いや矯正法・治療法を解説

近視と遠視とは?見え方の違いや矯正法・治療法を解説

目の見え方の症状として、近視と遠視があります。近視には馴染みがある方が多いと思いますが、遠視については実際にどのような見え方をするのか、イメージが湧かない方もいるかもしれません。近視と遠視にはどのような違いがあるのでしょうか。今回は、近視と遠視の違いや矯正法について解説します。

監修してくれた先生
田浦 輝美 先生
ひかり眼科クリニック 院長

平成28年よりひかり眼科クリニックの院長。地域の方々に親しまれてきている眼科クリニックとして親切、丁寧な診察を心掛け、解り易い説明をモットーに日々診察を行っています。

HP:https://hikariganka.jp/hospital/

近視とは

近視と遠視とは?見え方の違いや矯正法・治療法を解説

近視とは、近くのものはよく見えるのに、遠くのものが見えづらい症状です。眼球の奥行きが長くなり、目で見た物のピントが合うのが網膜よりも前の位置になっている状態です。近視にはどのような原因があるのでしょうか。

近視の原因

近視の原因は、実ははっきりとはわかっていませんが、下記で紹介する2つの要因が関係していると考えられています。

遺伝的要因

近視には遺伝が大きく関わっていると考えられています。特にアジア人は近視が多いことで知られています。

どちらも近視の両親のもとに生まれた子どもは、両親とも近視ではない場合に比べて、およそ5倍の確率で近視になりやすいといわれているのです。

環境的要因

勉強や読書、PC作業など長時間目を使うことをする機会が多い場合は、近視になりやすいといわれます。暗いところで作業をしたり、姿勢が悪かったりすると、近視が進む可能性が高まります。

最近では子どもの近視が増えており、外遊びの減少とスマートフォンやゲームの普及が原因として指摘されています。両親とも近視ではない場合でも、環境的要因があると近視になってしまうのです。

近視の種類

近視の種類は、学校近視とも呼ばれる「単純近視」と「病的近視」の2つです。

「単純近視」は遺伝や環境の影響によって、小学校高学年から中学校くらいで始まるものです。病気というよりは体格の違いのようなもので個人差として捉えてもよく、大部分の近視は単純近視です。

一方、「病的近視」に該当するのは、ごく一部です。幼児期から始まり進行するもので、眼球の奥行きが異常に長く近視の度が強いため、矯正があまり効きません。原因は未だ不明です。

近視の症状

近視は手元の文字など近くは見えますが、遠くを見るとぼやけるのが特徴です。近視が軽度の場合は、遠くの景色がぼやけて見えても、中間距離にあるもの(テレビなど)ははっきりと見えることがあります。

しかし、近視が進むとピントが合う位置がだんだん近くなり、手元でも目を近づけないとぼやけてしまいます。

遠視とは

近視と遠視とは?見え方の違いや矯正法・治療法を解説

遠視は近くのものも遠くのものも見えづらい症状です。網膜の後ろでピントが合うため、遠くを見る場合は自分で少しピントを調整すれば見えます。しかし、近くを見るときには強い調整が必要で、目が疲れやすくなってしまいます。

遠視の原因

遠視は、近視よりも先天的なものが多いといわれています。近視のようにPCの使いすぎなどで起こる症状ではありません。遠視は、眼球の奥行き(軸性)、水晶体や角膜の屈折力(屈折性)の2種類の原因によって発生します。多くの場合は、これら両方の原因が混在しています。

軸性遠視

生まれつき眼球の奥行きが短めで、ピントが合うのが網膜の後ろになることが原因で遠視になります。多くの赤ちゃんは、この状態で生まれてきますが、成長に従って解消されます。遠視が強い場合、そのまま残ってしまう場合があります。

屈折性遠視

水晶体や角膜の屈折力が弱く、網膜の後ろでピントが合ってしまうことが原因で遠視になります。

遠視の症状

遠視は、ピントを調節せずにリラックスした状態では何を見てもぼやけて見えるのが特徴です。常にピントを合わせてものを見る必要があるので、目が疲れやすいというデメリットがあります。目に大きな負担がかかるのが遠視です。

近視と遠視の見え方の違い

近視と遠視とは?見え方の違いや矯正法・治療法を解説

遠視と近視は、どちらも水晶体と角膜の屈折力に問題を抱えていることが多いのですが、見え方はまったく異なります。

そもそも正視(正常な視力を持つ目)の場合は、目に屈折異常がなく、網膜の中心でぴったりと焦点が合い、ピント調整が正常に機能しています。正視なら近くも遠くも自分でピント調節をしなくても見ることができるわけです。

近視と遠視は、正視とは異なり、屈折異常やピント調節の異常などがあるため、近くが見えなかったり遠くが見えなかったりします。ここでは近視と遠視のそれぞれの見え方を詳しく解説します。

近視の見え方

近視は光が網膜に届く前の部分でピントが合うため、遠くのものがはっきり見えない状態です。網膜よりも前でピントが合うので、近くのものははっきり見ることができますが、遠くのものはぼやけてほとんど見えません。

網膜の前で光のピントが合ってしまったことで、網膜まで届かないため遠くが見えづらいのです。

近視が進むにつれて、ピントが合う位置がどんどん網膜から前に離れていくので、近くのものも相当目を近づけないと見えなくなる可能性があります。

遠視の見え方

遠視は遠くのものが見えやすい状態だと思われがちです。実際には、網膜を通り越して後ろでピントが合ってしまうため、近いところも遠いところもぼんやりと見えるのが遠視です。

自然な状態ではピントが合わないため、何かを見ようとするときは、ピント合わせの調整努力が必要になります。遠くを見るときは少ない調整で済み、近くを見るときには強い調整が必要です。常にピントを自分で合わせているので、目が疲れやすくなります。

遠視が進んでいない状態なら、近くも遠くもそれなりに見ることができますが、遠視が進んで度数が強くなるとどちらも見えづらい状態になります。

遠視は目に負担がかかるので、早めの矯正が必要といえます。

近視や遠視の矯正方法

近視や遠視は、治療すれば治るというものではありません。しかし、メガネやコンタクトなどのレンズを使用すれば矯正することは可能です。度数に合ったレンズを使ってピントが合う位置を調整することで、正視と同じように物を見ることができるようになります。

ここでは近視と遠視の矯正方法について解説します。

近視の矯正

近視を矯正する場合は、凹レンズを使います。凹レンズには、ピントが合う焦点を遠くにする特徴があり、度数に合わせた凹レンズを使うことで、網膜上でピントが合うように見え方を調整することが可能です。

凹レンズを装着して目の中に入った光を逆方向に屈折させ、遠くで再びピントを合わせるように調節します。網膜の上に焦点を移動させることで視界がクリアになり、遠くまではっきりと見える状態になるのです。

遠視の矯正

遠視を矯正する場合は、凸レンズを使います。凸レンズは光を集めるのが得意なレンズです。遠視は屈折力が弱いことが原因で起こるので、凸レンズで光を集めて屈折力を高めるのが目的です。

屈折力が高まれば、網膜よりも後ろにあった焦点を網膜上に動かすことができ、しっかり見えるようになります。

まとめ

近視と遠視は、どちらもピントが合う位置や屈折力に異常がある状態です。近視と遠視は、メガネやコンタクトで矯正できます。どちらの症状も程度によっては日常生活に支障をきたすので、早めの矯正が必要です。

眼鏡店では近視や遠視の診断はできません。不安に感じたらまず近隣の眼科医の先生に相談してみましょう。治療が必要な場合はそちらを優先してください。メガネで矯正が必要になった場合は「眼鏡作製技能士」が在籍する眼鏡専門店などでメガネを購入すると良いでしょう

メガネのヨネザワには多数の眼鏡作製技能士が在籍しています。当社の眼鏡作製技能士が、お客様に最適なレンズ・フレームご提案します。ぜひ気軽にご相談ください。

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