第二十話 「専門店 イメージは大切」

第二十話 「専門店 イメージは大切」

昭和59(1984)年1月、創立10周年の記念パーティーを熊本市のニュースカイホテルで開きました。俳優の二谷英明さんがイメージキャラクターとして登場しました。当時人気は絶頂。スマートな語り口のトークショーはお客さまに大好評でした。
 メガネは医療機器であり、安心して買えるといった専門店としてのイメージは大切です。
 専門店のイメージを俳優や著名な方に託しました。創業期の昭和50年に小池朝雄さん、成長期の55年から二谷英明さん、バブル景気に沸く63年から津川雅彦さん、安定期の平成8年から南こうせつさん、そして今年からソフトバンクの秋山幸二監督にお願いしています。
 また創業期はHOYAパートナーショップとして、信用のなさをHOYAで補っていくことにしました。店頭看板はHOYAの名前を大きく、ヨネザワを小さくし、マスコミなど宣伝物にもHOYAの名前を出し、信頼の店づくりに努めました。10年経過して看板からHOYAの名前を消し、「ヨネザワ」を大きく掲げました。
 そのイメージを二谷英明さんと重ねたのです。当時、メガネ業界でイメージキャラクターを使っている店はありません。地元企業でトップクラスの人気俳優を起用してPRすることは話題になり、業績に反映しました。
 それから10年後、平成6年の創立20周年時はバブル崩壊後で景気は減速傾向にありました。バブル景気のころに採用した津川雅彦さんですが、派手な印象の半面で落ち着いた大人の雰囲気がありました。成長期から脱して成熟した会社にしたいという私の思いともぴったり合いました。
 新装なった本店で津川さんがお客さまをお迎えしました。着物姿がよく似合ういい男でした。奥様方が喜ばれたのは言うまでもありません。
 平成元年の福岡・柳川店のオープンに際しては、見事な日本式庭園で知られる柳川市の「御花(旧柳川藩主立花家の邸宅)」で、地元の奥様方を招待して食事会を開きました。
 かつて殿様がくつろいだ広間に津川さんが袴[はかま]の正装で登場され、まるで時代劇のひとコマのようでした。会場は興奮のるつぼとなり、オープンに花を添えました、現在も柳川店は好調です。