第四十四話 「いずれ福岡市に基幹店を」

第四十四話 いずれ福岡市に基幹店を

平成5(1993)年に出店し、同15(2003)年に撤退した福岡天神店

急成長の要因は何ですか」とよく聞かれます。しかし、全国の競合他社と比べてけっして急成長しているわけではありません。むしろ緩やかな成長をたどっています。
 業界が激変し消えていった店が特に平成の時代になって目立ちます。同業者の閉めた店を自店として再オープンし、繁盛店にした経験が何度もあります。そんなことを繰り返すうちに、売り上げは少しずつ伸びていきました。
 眼鏡業界の売上高ランクは、業界紙によれば全国8位になっています。九州ではトップシェアを維持していますが、しかし実感はありません。九州1の大都市・福岡市でのシェアがあまりにも低いからです。
 平成14(2002)年にスーパー寿屋が経営破綻。テナント店閉鎖による減収を取り戻すための福岡市への戦略的出店が大失敗。焦りでした。福岡市天神にも2度出店しましたが、芳しい結果が得られず、今も出店を躊躇しています。
 昔、寿屋があった福岡市外の店舗は現在も業績がよく、30年以上営業しており地域に密着しています。ところが、得意とする小商圏戦略が福岡市ではやりづらく、人脈に頼る戦略は都会では反応が鈍いのです。
 小商圏から広域商圏の出店戦略に一時、変えてみましたが、金がかかりすぎます。家賃は高く、固定費がかさみました。結局売り上げは上がるが、投資効率は悪い。現在も試行錯誤の状態です。
 九州を拠点に展開する「ヨネザワ」にとって福岡市にぜひ基幹店をつくり、正しいメガネの普及に力を注ぎたい。いつか天神のど真ん中で確実な業績を上げ、名実共にナンバーワンを目指したい。
 福岡の人たちに親近感を持っていただきたいと今年、イメージキャラクターにプロ野球・ソフトバンクの秋山幸二監督に登場していただき、アピールしてもらっています。今のところ大変好評です。秋山監督は熊本の出身でもあり、ぴったりの人だと満足しています。
 現在、福岡県内に30店舗。その他に眼科の先生方のご指導を受けながら処方箋による販売店が16店舗。計46店舗。熊本と営業店の数は同じです。福岡は人口も多く、出店余地は十分にあります。福岡の出店戦略を慎重に練っているところです。